内申点が低い場合どうなる？逆転合格は可能なのか詳しく解説

高校入試において内申点という言葉はよく登場し、試験の結果に大きな影響を及ぼします。内申点が低い場合はどのように対応すればよいのでしょうか。ここでは当日のテストで結果を残せば逆転合格できるのか、入試で高得点を取るのは現実的なのか、内申点が低い場合の志望校の決め方について解説します。

当日のテストで結果を残せば逆転合格できる

そもそも、内申点とは中学の学校関係者が高校に提出する資料です。この資料は生徒だけでなく保護者でさえ閲覧することはできず、完全に教育機関だけでやりとりされる秘密文書といえます。学期末に生徒に手渡される通知表からおおよその数値は推察できますが、それも推論の域を出ません。

内申点は3年生の担任だけでなく、校長、教頭、1、2年生各教科の先生も評価に関わるので「担任の先生に媚を売って入れば上がる」「生活態度がよければ内申点が高い」という性質のものではないのですが、先生も人間です。気に入る生徒もいれば、気に入らない生徒もいますので、「客観的かつ相対的な評価」を望むのはそもそも無理があるのです。

また、内申点、通知表の評価はかつて相対評価でしたが、ゆとり教育の影響で現在は絶対評価に変更されています。いいかえると、「みんな頑張ったから全員5」「私の基準を満たしていないのでみんな1」ということもできてしまいます。

一定程度の基準はあるとはいえ先生の考え方、教育についての思想で生徒の人生を左右する評価が決まってしまうこともあるのです。高校入試ではこのような非常に曖昧で観念的な内申点が、当日のテストと同じ割合で評価の対象になるといわれています。

内申点が低くても希望がないわけではない

この入試制度の賛否はともかく、内申点が大きな影響力を持っているのは明らかです。いくら当日のテストの成績が抜群によくても、内申点が悪ければ試験に落ちることは普通にあることなのです。ただし、全く希望がないわけではありません。

いくらそれぞれが半分ずつの重要性を持っていたとしても、「我が校に優秀な人材は必要」「これだけの高得点をとった人材を不合格にするのは忍びない」といったことは現実問題で存在します。また、地方の高校は偏差値が高くとも定員割れすることもあり、優秀な人材が都市に集中する人材の空洞化が叫ばれています。

そのような現状では、「多少内申点は足りないが、これだけテストで優秀な成績ならば我が校の教育水準についていけるだろう」と判断して合格になる可能性は十分にあります。地方の高校も廃校の憂き目にはあいたくないですし、優秀な人材確保は喫緊の課題なためです。それゆえ、当日のテストで結果を残せば逆転合格できるかという問いには「条件が合えば可能な場合もある」という回答になるでしょう。

入試で高得点を取るのは現実的？

入試で高得点を取るのは現実的なのかという問いに関しては「対策すれば十分に可能」です。入試において、もちろん相応の基礎学力は必要ですが、ある程度テクニックを習得することで点数を上げられます。それを提供しているのが学習塾です。

学習塾は、「生徒に試験で高得点を取らせ合格させる」ことを最大の目標としており、多くの親は子供の人生が少しでもよい方向に向くように学習塾に通わせています。高校受験を控えた中学生はまだ肉体的、精神的にも充実しているとは言い難い存在です。

そのような意味で脆弱な彼らに試験で生き残る方法を授ける学習塾は、親にとっては心強い存在といえます。入試対策において学習塾のすることは「問題の考え方を教え、解法を伝授すること」「過去問や過去のデータを提供し、その解法を伝授すること」になります。これがあるのとないのとでは、生徒の質にもよりますがスタートの時点でかなりの差があるといえるでしょう。

それゆえ、「試験慣れしている」「みたことのある問題」などの下駄を履かせられるので、精神的にも余裕ができることになります。本来の実力を発揮するには非常によい環境といえるでしょう。もちろん、「しっかりと勉強して問題の本質を理解でき、回答に転嫁できる質の高い生徒」であればそのようなことは関係なく、高得点を取ることは可能でしょう。

内申点が低い場合の志望校の決め方

内申点が低い場合の志望校の決め方はある意味、非常に冒険的な判断になります。なぜなら、内申点の点数はわからない上に、本人がテストで何点を取るか分からないからです。方法としては「希望の高校に入ることを重視し、内申点は足りないがテストでの挽回を期待する」「合格することを重視し、安全圏の学校を受験する」といったことになりますが、いずれにせよ本人の人生を少なからず方向付ける重要な選択です。本人の納得性も含め慎重に決定することをおすすめします。

まとめ

当日のテストで結果を残せば逆転合格できるのか、入試で高得点を取るのは現実的なのか、内申点が低い場合の志望校の決め方について解説しました。賛否はありますが、内申点は試験において非常に重要な意味を持っています。

志望校はその後の人生を決める要素にもなり得るので慎重に決めるのがよいでしょう。上記を参考に高校入試の戦略を今一度考えてみてはいかがでしょうか。